Van Halen / ヴァン・ヘイレン
バンド紹介
ヴァン・ヘイレンといえばギタリストなら誰でも知っているであろう、ロックギターの革命児と呼ばれるエディー・ヴァン・ヘイレンを生み出したバンドである。
今ならそこらのギタリストが誰でもやっている「ライトハンド奏法(右手でハンマリングとプリングを繰り返すことで音をだす)」だが、それを最初に世に見せしめたのがエディーなのだ。しかしギターだけがすごいわけではない。それはこのバンドのアルバムを聴けば自ずとわかるだろう。そう、ヴァン・ヘイレンはツェッペリンやパープルと肩を並べる、ロックバンドの大御所の一つなのである。
オランダ生まれのエディとアレックスのヴァン・ヘイレン兄弟は、そもそも楽器が逆だった、というのは有名な話。そう、兄アレックスがギターで、弟エディがドラムだったのである。しかし途中で楽器が交代し、今に至っている。そして学生時代にデイヴとマイケルをそれぞれ他のバンドから引き抜き、ヴァン・ヘイレンが出来上がる。
1978年に、キンクスのカヴァーで「ユー・リアリー・ガッド・ミー」をシングルリリースしデビュー。そこからのヴァン・ヘイレンの活躍はまさに、うなぎのぼりである。
ヴァン・ヘイレンは主に「デイヴ」時代と「サミー」時代の2つに区分される。そしてヴァン・ヘイレンファンのほとんどは前者、「デイヴ」時代を好んで聴く傾向がある。デイビッド・リー・ロスの、他に類を見ないほどかっこよいライブパフォーマンスと歌のパワフルさ、これがヴァン・ヘイレンであり、ハードロックであると考える人が多いからだろう。
しかし俺は「サミー」時代も「デイヴ」時代と同様に好きなのである。サミー・ヘイガーはバラードなどにもきっちりと対応できるロック・シンガーで、それまでのヴァン・ヘイレンにない風を与えた人物だと考えている。そうでなければ「Dreams(5150)」や「When It's Love(OU812)」「Right Now(F@U#C%K)」といったとても美しい旋律のロック・バラード曲は生まれなかったと思う。それにあとで言うことでもあるが、俺は「F@U#C%K」のアルバムが非常に好きなので、サミーをめちゃめちゃにひどく評価する人とは話が合わない。
後期のエディは、ギターよりもキーボードに凝っていたようで、Van Halen IIIというアルバムではピアノが非常に活躍する曲ばかりを作った。ギターの革命児とだけ呼ばれ続けることに嫌気がさしたのだろうか。
そう、よく勘違いしている人がいるが、ヴァン・ヘイレンにはキーボーディストはいない。ライブでもエディがギターとキーボを両方やっている。一番有名な「Jump」はキーボードリフがメインの曲なので、確かエディーはずっとキーボをやっていたと思う。
そういえば、5150というアルバムがあるが、5150とはエディ・ヴァン・ヘイレンのもっている(使っていた?)スタジオの名前から来ているらしい。Peaveyの同名のアンプの方が由来だと思っている方が多いだろうが、それはエディがPeavey社と開発協力をして作り上げたアンプが5150である、ということです。では、エディーは「5150」という数字に何か思いいれがあったのでしょうか・・・?
そのあたり知っている方がいたらぜひ教えて欲しいです。
とにかくやんちゃで自分の持てる技術を惜しみなく出してくる初期ヴァン・ヘイレンの楽曲。そして、曲そのものの美しさとロックの力強さの融合を求めた後期ヴァン・ヘイレンの楽曲。どちらもオススメする。少なくともロックギタリストを目指すなら「Eruption」は持ち曲にしておきなさい!(笑)
メンバー
ヴォーカル | ギター | ベース | ドラム | |
---|---|---|---|---|
デイヴ時代 | デイヴィッド・リー・ロス(デイヴ) | エドワード・ヴァン・ヘイレン(エディ) | マイケル・アンソニー(マイキー) | アレックス・ヴァン・ヘイレン(アル) |
サミー時代 | サミー・ヘイガー | |||
その後 | ゲイリー・シェローン | |||
サミー復帰 | サミー・ヘイガー |
ディスコグラフィー
- デイヴ時代
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- Van Halen [炎の導火線](1978)
- Van Halen II [伝説の爆撃機](1979)
- Woman And Children First [暗黒の掟](1980)
- Fair Warning [戒厳令](1981)
- Diver Down(1982)
- 1984(1983)
- サミー時代
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- 5150(1986)
- OU812(1988)
- For Unlawful Carnal Knowledge [F@U#C%K](1991)
- Live : Right Here, Right Now(1993)
- Balance(1995)
- その後
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- The Best of Van Halen, Vol.1(1996)←デイブ復帰の新曲2曲入り
- Van Halen III(1998)←Vo.ゲイリー・シェローン
- The Best of Both Worlds(2004)←サミー復帰後の新曲3曲含む
もっと詳しく知るためのリンク集
- もりりのVAN HALENホームページ
- ヘイレンについてよくまとまっている個人サイト。
- Blues Guitar Free Way
- エディーのギターについて。個人サイト。
管理人のオススメ曲
Eruption (Van Halen)
あまりにも好きな曲がありすぎるバンドなので、各アルバムから1曲ずつしか紹介しないという制限を自分につけようと思います。
記念すべき最初のアルバムからは、、迷ったけどこの曲!俺はギタリストじゃないけど、この曲のスゴさはよくわかる!俺はこの時代に生まれてなかったけ当時この曲がどれだけ驚かれたか想像できる!
これは1分半くらいのギターのソロ曲だが、ほんとに、カッコイイ!!ライトハンド奏法をふんだんに使っているわけで、当時のギタリストはみんな首をかしげて「これはどうやって弾いているのだ?!」と言ってたらしい。
にしても友達とかでこれを弾いてるやつのを聴いても、エディーより格好よくというかキレイに弾けるやつを見たことない。やっぱりエディーはすげぇ。
Spanish Fly (Van Halen II)
高校のとき組んでたバンドのギタリストが、確かこの曲を聴かせてくれたんだったと思う。
イラプションはエレキギターの超絶ギターソロだけど、こっちのスパニッシュフライは「アコギ(ガットギター)」の超絶ギターソロ!
とにかく最初聞いたとき、すげぇ、としか言えなかったのを覚えてます。
Loss Of Control (Women And Children First)
この3rdのアルバムはあまり聞き込んでいない。というのも結構どの曲も似た雰囲気に感じてしまうから。その共通点は、「エディーやりすぎ」「リズム隊きもすぎ」「デイヴさけびすぎ」。
その中でも一番それがよく伝わるこの曲をオススメ。めっちゃ楽しそうに演奏しているメンバーの顔が浮かびます。
Push Come To Shove (Fair Warning)
ベースのマイケル・アンソニーというのは、ヴァン・ヘイレンの中では縁の下の力持ち的な役割であって、あまり前にでてこないのである。一説によるとアレックスのリズム感はかなり危うく、ベースがめちゃめちゃにやるとズレてしまうとか・・・。アレックスすんげぇ上手いと思うし、俺はアレックス下手説には納得できんのだけどそういう話もある。
まぁ話がずれたが、この曲はイントロからアンソニーがかっこいいベースを披露してくれる珍しい曲。
同アルバム「戒厳令」には「Unchaind」「Sinners' Swing!」など他にもかっこいい曲がある。あまり知られてないアルバムだし俺もつい最近やっと聴いたのだけれども、結構オススメのアルバムですよー。
Hang 'Em High (Diver Down)
この曲を紹介するにはワケがあります。この曲のイントロ部が、あるほかのアーティストのある有名な曲に非常によく似ているのです。
それは、Skid Rowの「Forever」なんですが、本当に似ています。キーこそ違うけれども、ギターのリズム、そしてそのあと入ってくるドラムのシンバルの位置まで“くりそつ”(死語か・・・?)です。
ただそれだけで紹介したですが、この曲自体もかなりスピード感にあふれていてかっこいいです。
おそらくこのアルバムなら「Little Guitars」あたりをレビューする方がよかったのでしょうが、どうしてもこのそっくりさを伝えたくて・・・
Jump (1984)
ヴァン・ヘイレン最大のヒット曲といえばこれでしょう。ジャンプ。初の全米1位になった曲らしいですね。いやー、何度これをコピーしたことか。高校時代はまさにジャンプとホットフォーティーチャー(後で詳しく)ばっかりやってましたね。
この曲はキーボードのリフがとても印象的なのでだいたいの人は知ってるはず。すごいポップな曲だから本当のヘイレン・ファンの中にはこれはあんまり…っていう人もいるらしいけど、俺は好きだなぁ。雑食なんだな俺。
Hot For Teacher (1984)
てか、アルバム毎1曲って言っちゃったけどいいよね?もう一曲?
…誰に聞いてるんだかわからんので、独断でそういうことにしちゃいます!この曲は未だにたたけない!(泣)とりあえず、最初のバスドラムはどうやっ て踏めばいいのだろうか・・・絶対あんなん無理だよー。しかも最初の3連のフレーズ、全然ちゃんとやれなくてギターとピッタリ合わないし…
いつかやってやるぅ!この曲はPVがめちゃくちゃ面白い!てかヘイレンはPVも全体的に凝ってるんだよなぁ。そりゃあなんていってもデイブのパフォーマンスが素晴らしいからだろうな。あの両股を180度に開いてジャンプなんかされちゃあ「うわー、めっちゃ楽しそうやなぁ」って思わざるを得ないけど。
Dreams (5150)
5150からはこの曲。ベストにも入っているけどほんとにいい曲だよね。サミーに代わったことでヴァン・ヘイレンの可能性がグンと広がったと感じさせられる曲だと思う。普通に感動する一曲。
同アルバムのWhy Can't This Be Loveもベストに入ってるけど、やっぱりサミーの声はこういう曲に向いてるんだなぁ。
Finish What Ya Started (OU812)
このアルバムは俺はあまり好きじゃないんだけど、何故かこの曲はすっごく頭残るサビで結構好きなんだよね。ヴァン・ヘイレンって、めちゃめちゃロックな曲以外にもこういうシンプルな曲が作れるところがいいよね。そういうのってMR.BIGにも共通して言えるし。叫ぶだけのボーカルならどこにでもいるけどこういう曲が歌えるボーカルでもあることが、バンドの将来を左右するのかもしれない。俺は結構サミーも好きなタイプです。人によっては「デイブじゃなきゃヴァン・ヘイレン」じゃないよ、ってのもいるけど。
Pound Cake (F@U#C%K)
デイブ時代の一番好きなアルバムがファーストだとしたら、サミー時代の一番好きなアルバムは文句なしにコレです!
この曲は最初電気ドリルで弾いてるらしくて、高校のときライブで真似してやりました。MR.BIGもダディー・ブラザー・ラヴァー・リトルボーイのソロで電気ドリル使ってるけどどっちが先だろう?
Judgement Day (F@U#C%K)
もうだめだ、1アルバム1曲なんて制約むりむり!このアルバムはマジで名曲揃いだもん!この曲はほんとにキメがかっこよすぎる!そしてギターのフレーズが相変わらずいいんだよなぁ〜。なんかここらへんでヴァン・ヘイレンって原点に立ち戻ってきてるような気がする。たぶんこういうロックが肌にあってるって気づいたんだろうなぁ。勝手な想像だけど。
Man On A Mission (F@U#C%K)
ほんとに捨て曲のないアルバムだけど、あえてこの曲を紹介。イントロからノリノリになっちゃうリフ。またしてもキメがカッコイイ!
Right Now (F@U#C%K)
ピアノの印象的なフレーズから始まるこの曲。しかし、このフレーズはすっごく精密に作られている事にだいぶたってからみんな気づくはず。普通にこれを耳コピしようとすると、どうしてもAメロに入るときにちょっとズレちゃう… というわけでピアノのイントロが実は1/16休符があったあとに始まっているんだ、というように頭を切り替えて聞きなおさなきゃいけない・・・
自分で説明しててもうまく説明できないけど、後期のヴァン・ヘイレンはこういう考え抜かれたトリック的な曲作りをしてたりする。
Can't Stop Lovin' You (Balance)
まぁ俺はヴァン・ヘイレンはベストから入ってしまったために、それぞれのアルバムを聴いても「やっぱりベストに入ってるこれが一番いいな・・・」なんて思ってしまうことが多い。このバランスというアルバムはたぶん色々試みたアルバムなんだとは思うけど、いまいち俺の中でパッとしなくて滅多に聴く事もないんだよなぁ。
あ、でもちゃんとジャケットには子供が二人いる方を買ってますよ!日本版のバランスは子供が一人しか映ってないらしいですね。ま、確かにちょっとコレ気持ち悪いもんなぁ。
Can't Get This Stuff No More (The Best Of Van Halen, vol.1)
デイブが復帰してベストに入れた新曲は2つとも(もう一つはMe Wise Magic) すっごい凝ってて、コピーするのは難しい。この曲はライブでコピーしてやったことがあるけど、中間のギターソロの所のドラムが上手く作ってあってよく聴いてこそわかるこの曲のスゴさというものに驚いたもんだ。
How Many Say I (Van Halen III)
調べてて知ったのだが、この曲はエディーがリードヴォーカルらしい。1枚しかないゲイリーのアルバムからこの曲しか選ばないのはなんか悪い気がするが他の曲はあまり印象に残らない、というかこの曲の印象が非常に強いので紹介する。いきなり「ゴン・・・」というピアノの一番下の方の鍵盤の音から始まるこの曲だが、すごく綺麗でいい曲だ。まさかエディーが歌っていたとは。
(2006.4.8 kota)