FUJI ROCK FESTIVAL '05に行ってきました!part4


ここで、俺が現在最も好きなバンド、The Mars Voltaについて予備知識をつけておいていただこう。


◆The Mars Volta(ザ・マーズ・ヴォルタ)
●メンバー
Vocal. セドリック・ビクスラー Guitar. オマー・ロドリゲス
Drums. ジョン・セオドア Keyboard. アイキー・オーウェンズ
Bass. ホアン・アルデレッテ Percussion. マルセル・ロドリゲス
Sax & Flute. エイドリアン・テラザス
※正確に言うと、メンバーはセドリックとオマーだけらしい。しかし、今回のFUJIにきていたのは上述の7名+サンプラーが1人。
●バンドの説明(FUJIのサイトから引用)
アメリカはテキサス州、メキシコとアメリカの国境近くに存在する人種的にも文化的にもメキシコ色の強い街、エル・パソ出身の二人。
1994年アット・ザ・ドライヴ‐イン(ATDI)を結成し、2000年、ロス・ロビンソン プロデュースによるメジャー・デビュー・アルバム『リレーションシップ・オブ・コマンド』は特に日本、ヨーロッパで高く評価された。しかし、2001年3月にたった2年足らずでATDIは解散してしまう。
2002年、バンドは二つに分かれ、方や西のレーベル ドリームワークスからエモの真髄をいくSPARTAというバンドでデビュー。
一方のマーズ・ヴォルタはジャンルというものを越え、独特な楽曲構成のもとにプログレッシヴを彷彿とさせる独自のサウンドを生み出すバンドとしてEPを発表。日本ツアーも果す。その後マネージメントをATDI 時代のジョン・シルヴァ(GAS)にし、東海岸の老舗レーベルUniversal/Motownとレーベル契約した。
2003年、彼等のデビュー・アルバムのプロデューサーがリック・ルービンであったことや、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのベーシスト、フリー(FLEA)がアルバムに参加していることなどでも話題を呼んだが、何よりもマーズ・ヴォルタの独特のサウンドは多くの音楽ファンを魅了した。

●当日(7/31)

<20:50>
ついに、待ちに待ったマーズヴォルタのライブが始まった。こいつらはいつも西部劇の始まりのようなSEを最初に流す。これが流れると気分は最高潮になるのだ。今回もそのSEが、晴れ上がった星空の下、高らかに鳴り響いた。
SEの終盤、ついにメンバーが現れる!!しかし・・・なんだこりゃ!人数がいっぱいいる!!

それもそのはず、今回はサックスの人とサンプラーの人まで一緒に入場してきたからだ。さぁ、、最初はどの曲から来るかな?そう考えていたのだが、、、なんと。

最初の10分間、ジャムりやがった。

登場してきて、いきなりドカドカとドラムをたたき始めるセオドア。めちゃくちゃパワフルだ。オマーもとんでもない音をかき鳴らす。今回は140ワットのOrangeのアンプを4つも持ってきていた。そしてエフェクターの数はまた増えていた。。。
足元に、通常のエフェクターケースの幅の3倍くらいエフェクターが敷き詰められていて、さらに、近くのテーブルの上に、指で操作する用のエフェクターが10個くらい。全部で50〜60個のエフェクターはあったんではなかろうか。気違いだ。。。

なんで最初から曲にならないような曲を延々とやったのだろうか・・・というかアレは曲だったのだろうか。。。新曲だとしたらとんでもないな。「まだ完成してないんだけど、こんなん作ってるんだよー。まぁ、聴いてみてよー」的な勢いでライブでやってしまったとしか思えない。。。

10分間、何度もスティックをふっとばし、折ったりしながら豪快にたたき続けたセオドア。怪物だ。あいつは。それがスピードを落としてきたと思ったら・・・・

1stの5曲目、drunkship of lanternsがキター!!

この曲は今度の夏コンでやる曲の一つなので、ジョ氏と俺は飛び跳ねながらも凝視。きっと前の方ではボーカルのM氏も必死にセドリックのマイクアクションを頭に焼き付けていただろう。

にしても・・・速い。恐ろしく速い。原曲よりテンポ20くらい速かった気がする。なんでできんだよそんなん、、、ってコピーしてる側からすれば驚きしかない。
このdrunkship of lanternsは、途中にインプロヴィゼーションが若干入る曲なのだが、、、若干どころじゃなかった。ここで今度は、15分ものジャムをしやがったのだ!!
もうね、やりたい放題。こういうプログレッシブなところが、俺は大好きなんだ!!・・が、ちょっと長すぎた気がする。というのも、単独ライブなわけではないから制限時間が決まっていて、おそらくマーズボルタは1時間ちょっとしか持ち時間がなかったはずなのだ。しかし、既にこの時点で40分経過。。。アホですね。

セオドアがさすがに疲れたらしく、顔をうなだれて動きをとめてしまう。ギターは相変わらずとんでもない音をだしているが、オマーもセオドアの方を見てたたずむ。メンバーの全員がドラムを見ている。

「これは、くるぞー!!」とジョ氏と話していると、顔をあげ、後ろにつばを吐き、いきなり5曲目の途中に戻ってきた!
どうやってタイミングを合わせたのか、今回も全くわからなかった。しかし、メンバー全員、息を合わせてまた曲に戻ってきたのだ。全身鳥肌がたってしまった。

さて、drunkship of lanternsが終わるとなんかメンバーが中央に集まり始めた。どうやら、、、、こんな話をしていたんじゃないかと想像できる。

「なんかさ、今スタッフの人に言われちゃったんだけどさ、あと20分くらいしかないらしいよ」
「What?あと2曲できないじゃねぇか」
「しょうがないから1曲抜かして次で最後にしてくれって言われたんだけど」
「なんだと・・・仕方ないのか・・・shit!Jap!」

まぁ、これはフィクションですけど、そんなこんなで、なんと、次の曲で終わってしまったんですね。
その曲は2ndの1曲目、CYGNUS…VISMUND CYGNUSであった。この曲はCDの段階ですでに10分以上ジャムっている部分があるので、当たり前のようにライブでは20分以上この曲をやっていた。

なんという衝撃。マーズボルタは2曲しか演奏しなかった。

でもね、やっぱり、、、素晴らしかったよ。何度見ても凄いバンドだと思うよ。
セドリックがマイクスタンドをステージに思いっきりたたきつけて折ってしまった時とか、かっこよすぎて泣きそうだったし。ジョン・セオドアはやっぱりとんでもないドラマーだし。

ありがとう、マーズ・ヴォルタ。
<22:00>
マーズヴォルタが終わると、そのまま次は「Sigar Ros」の演奏がWHITE STAGEで行われる。しかし、この頃俺の身体には異変が起きていたのだ。

マーズヴォルタで踊りまくった後、身体のほてりがとれてくると、夜の山の急速な冷え込みに襲われた。かっぱをはずしてしまうと、俺は半そでのTシャツしか着ていなくて、せっかく持ってきた上着も雨でびしょぬれでとても着れる状態になかった。
「これは風邪ひくかもな・・・」と思っていたのだが、意外なところに症状がでてしまったのだ。
<22:30>
シガーロスが始まる。ステージの背面と前面に白いカーテンのような幕が垂れ下がり、前の幕には、アーティストを後ろからスポットであてた影が映し出されるようになっていた。半透明のカーテンだったから、その影と本人たちの姿が両方見えるのだ。とても凝ったステージだった。
そして、エレキギターをチェロの弓で弾くボーカル・ギターのヨンシー。とても澄んだ、幻想的な世界に俺は、、、

あくびがとまらなかった・・・

決して!!決して、つまらないからあくびを連発していたわけじゃないんだ!!最高の音楽だったんだ!!
でも、、、本当に眠かったんだよ。前日はお昼の12:00くらいに起きて、深夜は高速をかっとばして、睡眠時間は1時間くらいで、山を歩きまくって、踊りまくって、汗をかきまくったあとだったのさ!
正直、途中は完全に意識を失っていた。

しかし、突如としてそんな眠気が吹き飛んだのである。そう、“腰”が痛くてどうしようもなくなったのだ。強烈な痛み。たっていても、腰を曲げても、押さえても、何をしても痛い。無論、その場に座ることなどできるはずもない。
そこから、ライブが終わるまでの1時間はまさに、地獄だった。聞いている音楽がシガーロスでなかったとしたら、絶対耐えていられなかったであろう。

本当に美しい歌声と世界だった。このシガーロスの時は、うちのサークルから来ている人は全員WHITE STAGEにいたのではないかと思う。
<24:00>
シガーロスが終わると、俺はすぐさまかばんからシップをとりだし、腰へ。最初は歩くことすら出来なかったが、シップが効いてくると動けるようになった。よかった・・・と思った。車運転できなさそうだったからね。

サークルの仲間が一同に介して、このあとどうするかを話し合う。結局、GREEN STAGEのトリを飾った「PRIMAL SCREAM」はちら見程度にして、代わりに最後に腹ごしらえを、とごはんを食べる。

FUJIの終わりの余韻に浸りつつ、疲れた顔と満足した顔を足したような顔で人波の中をシャトルバスの出発点まで歩く。足取りが重かったせいもあって、バスに着くまで1時間近くかかった。
<02:00>
ほとんど最終に近い、三俣行きのバスに乗り、最後部座席に5人、沈む。俺は疲れすぎて声を出すこともできず、すぐに寝てしまった。でもきっとみんなも寝てしまっていただろう。

駐車場に着き、汚れた服を替えたりする。うちのサークルの友達たちの別の車が近くの温泉に寄っているというので、俺たちもそこに行くことにする。しかしかなり危うかった(実は)。あのときは運転しながら半分寝てたからね、俺。
<03:30>
俺らがその温泉についた頃には、その友達たちはちょうど上がってくる頃だった。でも俺はつかれきっていたので、十分にその人たちと話をすることもできず、一目散に温泉へ。
ぬるめのお湯につかり、露天風呂(薬草湯)につかり、あがってきてマッサージ機にのっかったら・・・またしても寝てしまっていた。本当に疲れていたなぁ。。。
<05:30>
起きて一足先に外へ。外はシンと冷えていて、眠気がいっぺんに覚めた。「よし、これはいけるぞ!」

・・・と出発した俺は、なんと行きのスピードをもしのぐスピードでかっとばして2時間で所沢へ到着。
みんなには悪かったけれども、所沢駅でみんなを降ろす。
<09:00>
やっと着いた自宅の布団は、まるでシャボン玉のベッドであるかのように俺の身体を包み込んで一瞬にして眠りの世界へ引きずり込みました、とさ。

◆編集後記

まぁ、そんなこんなで、初FUJI ROCKだったわけですが、一生の思い出になるかもしれないほど楽しかったのです。そして、絶対に来年もできれば今年のメンバーで行きたいと思うのです!

そういえば触れなかったけれど、FUJI ROCKの会場はあちらこちらで自然を守る運動を展開していて、タバコのポイ捨てなんか無論ダメ、ペットボトルも徹底してキャップとラベルを外させたり、完全なまでのゴミ分別収集を行っておりました。そのほかにも自然と共存するための工夫がいたるところに見え、そういったところにも感動したのであります。

あまりに楽しかったために、2日たった今でも、リストバンドを外せない俺です。これをつけていれば、嫌なことがあってもすぐにFUJI ROCKで楽しかったことを思い出して明るく生きていける気がするので、まだ当分はずしません(笑)

ここまで、駄文・長文を読んでくださった方、ほんとうにありがとうございました。感想など、よければBBSなどに書いてください★

最初のページへ | コラム一覧へ

▲ page top